今日のニュースで原油先物価格のWTI(ウェスト・テキサス・インターミディエイト
で26ドル台の話を聞きました。WTIは米国のテキサス州とニューメキシコ州で産出
されるある種の原油の総称ですが、この価格はもう随分昔に大学で習った学問の範疇を
越えています。確かに原油安は資源のほとんどを輸入に頼っている日本にとっては良い
話に聞こえます。
しかし、この価格下落は今までの様々な理論や予測からも離脱していますし、原油産出
国に混乱を招きます。中東にしてみれば、前はシェールガス叩きで米国の安価なシェー
ルガスの開発を抑制すべく、色々やっていたわけですが、ここまで原油の先物価格が
下落すると必ずや国も不安定になってきます。一時期は1バレル100ドルを越えていまし
たから。この時は原油が投機対象となってお金が急に先物に集まったようですから異常
であったとしても、20ドル台は暴落に近い形になります。何年か前に外資系の石油元売
会社の偉い方とたまたまですが、会食をさせて頂いた際に、この先減っていくであろう
ガソリンスタンドの代替をどうするのか、と言うお話されていたことを思い出しました
。当時はそれはそんなに急に来る社会なんだろうか、と自分は思いましたが、それはも
う現実になっています。そして原油先物価格は20ドル台!これは驚愕です。今後、資源
開発、特に原油や天然ガスは価格が急落しないであろうと思っていた方々には一大事な
出来事であり、また、様々な予測の元で先行投資を考えていた方々にも大打撃だと思い
ます。今までの石油中心の社会が大きく変化する、そんな気がしてきました。
※原油価格の年代変化は「世界経済のネタ帳」を利用させて頂きました。