自分は東北の生まれですから、三陸海岸の防波堤を実際に見ています。高さが10mもあ
るかなり、立派な堤防です。チリ地震の被害を踏まえて、建設された堤防ですから、三
陸のお年寄りがいつも言っているように、この堤防を閉めれば、大丈夫の言葉を心から
信じていました。でも2011年3月11日は、その神話が脆くも、崩されてしまいます。
まあ、千葉も地震や津波の被害もありましたが、比較の話で言えば、そんなに騒ぐほど
でもない。ニュースで堤防が津波で崩される様子を見たとき、あまりの非現実性に変な
気分になりました。こんなの絶対にあり得るわけないだろ、って。変な気分の次は身震
いでした。恐くて恐くて仕方が無い。そして、いったい何人の方がお亡くなりになるん
だろう。被害を受けた家々は建て直し出来るんだろうか、とか、こんなことばかりを考
えてしまってます。悪夢としか、言いようがなかったですね。これは絶対に悪夢。
実際にうちの妹は仙台で被災して、酷い目に合っていましたし、うちの妻、娘がディズ
ニーランドに行っていて被災し、一晩ディズニーランドで夜を過ごしています。翌日も
電車は、ちゃんと動かず、途中まで徒歩で歩いて帰ってきて、こちらからも車で迎えに
行って千葉の県庁付近でようやくピックアップ出来た記憶が残ってます。自動車が渋滞
で途中から全然国道を勧めませんでしたから。それでも千葉は良いんですよね。死んだ
り、家が流されたりは、ほとんどなかったわけですから。当時、変なニュースやコメン
トが続き、なんだ、これと思ったことがありました。想定外の地震と言う言葉です。
ん?想定外って、なんだ?人間は自然を完全に想定できるなんて、少なくとも日本人は
そんなこと、思わないだろ。自分は完全にそう思ってました。でも、違ったらしいで
す。あるいは利害関係者の言い訳のようにも聞こえました。また、情報統制も行われ、
本当の放射性被害の話は正確に報道されませんでしたね。こんな国でしたっけ?日本
は。自分達はもう死ぬほうに近いから、別に放射線浴びようが、そこは別に仕方ない
し、それはそれでも我慢します。でも、でもですよ、若い人、子供たちはそうはいない
でしょ。これからの人なんだから。こんなことを考えていくと、肝心な部分が日本が良
いとか絶対に思えませんね。国民を馬鹿にするのも、ほどがあります。最近は政治も
絡めて、そんなことが心に浮かんで来ます。