もう、30年以上も前の話になりますが、旧石油公団での海外技術者研修でテキサスの
ヒューストンを中心にして石油開発技術者研修を半年ほどしたことがありました。ヒュ
ーストンも非常に大きな都市で郊外からダウンタウンの中心街に行くには車で2時間近
くかかるような広さです。もちろん、研修でレンタカーも借りて移動をしていました。
移動する範囲は広くて北はダラス、南はルイジアナ州のラフィエットとか、そんな感じ
でしたね。借りたレンタカーはそれなりに古くてそこそこくたびれた車でした。
夜の多分7時ごろだったと思いますが、ある場所で降りてエンジンをかけようとしたら
かかりません。どうもバッテリーが上がってしまったようです。本当に困ってトランク
の中をみても工具すらありません。「んー、困った。どうしよう」1つアイデアが
浮かんでスーパーマーケットで同じ形式のバッテリーをまず買ってきました。後、1人
手助けが必要です。「んー、誰かいないか」眺めていたらスーパーの入り口の脇に
ポリスマンが1人立っています。声を最初かけたときは彼は「あ、びっくりした!」と
言っていましたが事情を話して手伝ってもらうことにしました。さて、自分はどうした
でしょう。なんと自分は上がったバッテリーの端子に新品のバッテリーの端子をくっつ
け、ポリスマンにエンジンのスターターを回してもらったのです。1発でかかりまし
た。ポリスマンは「こんなの見たことない。初めてだ!」と驚いていましたが、自分に
してみれば苦肉の策だったのです。そして自分の研修が研修をしているレジデンスホー
ルに戻り、翌朝、工具を借りてバッテリーを新品に交換したのでした。今思えば、雑で
どうしようもない対策でしたが、切り抜けたのは事実です。昔はそんなことも
ありましたね。