ロボットの各業界への進出は前にもお話したとおりですが、特に人にとっては危険な作
業等はロボットが人間の代替として大活躍出来る可能性があります。そういう意味では
パリのノートルダム寺院の火災でも遠隔操作の消火ロボットが活躍したニュースが出て
いました。また、日本でも似たような消火ロボットのニュースが出ていたので、それも
ご紹介いたします。
【MSNニュース、5月3日】
パリの世界遺産、ノートルダム大聖堂が改修工事中に発生した大火事で一部が焼け崩れてしまいました。築856年の大聖堂は消火活動が難しい構造をしており、中から活動するのは人力以外では難しい状態だったのだそうです。現地には400人以上の消防士たちが結集していたそうですが、尖塔が崩れ落ちたら彼らにも被害が及ぶかも? と足踏みしていたそのとき。 放水ロボットが投入されることになりました。
IEEE SPECTRUMによりますと、そのロボットはShark Roboticが作った「コロッサス(Colossus)」。耐熱・耐水性に優れ、キャタピラで道なき道を進み、お尻に繋いだホースから250m先まで放水するロボット消防士なのです。キャタピラがあるので、階段もなんなく昇降でき、放水も扇形に撒いたり、一直線に射出したりと、多岐にわたる消火活動ができるように設計されています。犠牲者が出ずに済んだ要因のひとつは、「Colossus」の活躍によるところが大きかったようです。
なんと「コロッサス」は、iOSとAndroidを搭載したスマートフォンとタブレットからも遠隔操作ができるそうです。しかも最大300m離れた場所でも信号を送受信できる、という性能も持っています。またリアルタイム映像以外に消防士が欲しい情報、つまり現場の温度や有害な化学物質、生物学的物質、そして放射線と核物質の有無をも検知できるセンサーも搭載しています。なので火事だけでなく、たとえばガス散布事件のようなテロ現場や、原発の事故現場でも活動が可能ってことなんですね。充電の持ちも10~12時間とかなりタフ。火事で燃えている現場でも最大8時間耐え続けるというから頼りになります。
【日経新聞HP,5月3日】
消防庁は22日、工場の石油タンクなどの大規模火災向けロボット消防システムを都内で公開した。偵察用のドローンや放水するロボットなど4台が連携し、人の代わりに危険を伴う現場の消火活動にあたる。2019年度から千葉県市原市の消防局に配備し、有効性を確かめながら活用を進める。
現場には指令機能も備えた10トン車両に載せて運ぶ。4台のうち2台は偵察用。ドローンが上空から、車輪などがついた走行ロボットが地上から、周辺状況をそれぞれ偵察して火元などを確かめる。残りの2台が放水する。火元に向けて放水したり、放水ホースを人が安全に作業できるところまで延長したりする役割をそれぞれ担う。射程距離は70メートルで、1分間に4000リットルの水を出す。
放水ロボットは耐火性にも優れる。直径約100メートルの国内最大級の石油タンクが燃え上がった時の熱にも、耐えられるよう設計した。ドローンやロボットの指示は指令機能を備える車両から行う。ロボットから伝送される画像や測定データを指令システムが解析し、適した移動ルートや放水位置を自動で導き出して提案する。消防隊員の最終的な判断に基づき、各ロボットに指令を伝送して消火活動をする。
この2例のロボットの性能はすぐには比較出来ないので、どちらがどうとか言う判断は
出来ませんが、時を同じくして登場したというのも非常に不思議な感じがします。
それにノートルダムでもドローンも使われていたようなので調査等の方法は同じかも
知れません。それだけドローンからの情報は有用なので。それでは。