今月になって兵庫県が公表した「最悪ケース」の高潮浸水想定は浸水エリアは南海トラ
フ巨大地震で発生する津波よりも広範囲におよび、阪神地域の自治体に驚きや困惑が広
がっているとの報道がありました。自治体としては自分たちが想定していた天災の規模
よりも予測の方が遥に大きい場合は確かに困ってしまいます。確かに当然の話ですよ
ね。公表されたら対策はしないといけないと言う発想なのだと思います。まあ、今回
兵庫県が出したケースは「最悪ケース」なので一番悪くてこんな被害ということです。
そう考えれば実対応としては既に対策をしている被害内容と最悪想定ケースの溝をどう
埋めるのかと言う議論に走りそうになりますが、これも余り意味がないと思っていま
す。つまり、想定ケースでは被害がこの程度ですと言うのが被害想定で、その天災が
来ますと言う意味ではないということです。単純に予想をして被害規模を出しただけ
なのです。これはどういうことかと言いますと例えば、津波の高さが18mと被害想定が
あった場合には堤防の高さを20mぐらいして建設するのか、と言うことです。高さ20m
の堤防なんて建設費が莫大ですし、景観や眺望も最悪になります。そんな対策は多分出
来ないし、したくないと言うのが本音になるでしょう。そういうことなのです。
こういうケーススタディが公表されると「不安を煽るだけ」と言う反論のような意見も
出てきますが、これも意味がない。基本、日本は天災の多い国で地震も津波も火山も
沢山あります。そもそも論でも危険の多い国なのです。これは昔からの国内の災害を
調べてみてもそうですよね。安心なんてあまり言っていられない国なのです。これを
ベースにして考えないと自分の生活を守ることなんて絶対に無理です。ですから
不安材料はもともと沢山あってと言うのが基本です。そう考えると「不安を煽るだけ」
なんて能天気な意見は消えてしまって、最悪ケースでは自分たちはどうすれば被害を
最小にして逃げ延びれるかというケーススタディをして、それを家族の中で周知をし
実際にそれを実際に行動をしてみると言うのが良いんだと思います。
人間練習していることは、すんなり行動に移せますが、全然していないことをすぐ実施
することは出来ないものです。ですから避難訓練とかは大事なんですよね。東日本大震
災の災害規模は最初、「想定外」なんて訳の分からない言葉を発していた方々がいらっ
しゃいました。自分から言わせれば、地球の過去に何が起きたか全部把握してるんです
か、今後は過去に起きた災害規模のものしか発生しないと言う断言は出来るのですか
と逆に問いたいです。後からは1000年に1度の天災と言い直されましたが、天災とは
そんなものです。想定外のことが起きて普通。従って過剰に被害想定に反応するのでは
なく、こんな程度の災害は起きるかもなんだ、じゃあ、その時は自分は家族はどうすれ
ば良いだろうと考えて必要な個々の対策をすれば良いだけなのです。