古い方はご承知のようにロッキード事件を機に日本での旅客機は何故か、ボーイング社
だけを購入すると言う非常に不思議な時代がつい、最近まで続いていました。そして
ボーイング社737MAXの墜落事故と不具合が露呈し、現状、ボーイング社の元気が無く
なっています。その前からの準備であったのは、はっきりしていますが、JALがボーイ
ング777の後継機としてエアバスA350を今月から就航させました。
【Aviation wire 8月31日】
JALのA350は、ボーイング777型機の後継機。標準型のA350-900は主に国内線用777-200の、長胴型のA350-1000は長距離国際線用777-300ERを置き換える。A350-900は初号機から3号機までが特別塗装機で、機体後部にA350のロゴを大きく描き、初号機は“挑戦”を示す「レッド」、2号機は“革新”の「シルバー」、3号機(JA03XJ)は“エコ”の「グリーン」を採用した。
(中略)
A350の就航は9月1日で、羽田-福岡線が最初の路線となる。国内線仕様の座席数は3クラス369席で、ファーストクラスが12席(2-2-2席配列)、クラスJが94席(2-4-2席)、普通席が263席(3-3-3席)。全クラス全席に電源コンセントと充電用USB端子、個人用画面を備え、機内インターネット接続「JAL Wi-Fiサービス」を無料提供し、出発して地上走行を開始してから、着陸後に駐機場へ到着するまで利用できる。映画などのビデオコンテンツは、途中で視聴を中断しても次回搭乗時に続きを楽しめる。
全クラス全席にコンセントと充電用USB端子は非常に助かります。各席にもディスプレ
イも設置は非常に良い。時間を有効に使えるし、暇つぶしにも良い。良い感じです。
【日経TECH 8月30日】
JALはこのA350で、IT分野の国内初となる取り組みに着手する。航空機の「カルテ」に当たるフライトログの電子化である。これまで紙で残していた飛行や整備の記録を電子データで残す形に移行するわけだ。JALは3年後をめどに既存の保有機を含め、全機のフライトログを電子化する方針である。
フライトログとは、航空機が常に万全に整備された状態で飛べるよう、1機ごとに飛行や整備の記録をまとめた日誌だ。飛行中に何らかの不具合があれば運航乗務員がその旨を記録に残し、その記録を基に整備士が整備する。整備責任者が作業完了の旨を記録してサインすると、再び運航可能になる。
長く日本では航空法によりフライトログは紙媒体しか認められていなかった。一方、海外では米ボーイング(Boeing)が「ボーイング787」の機体に組み込んだ端末に電子フライトログを記入・蓄積できる機能を搭載するなど、2012年ごろから電子フライトログの導入例が出始めた。
これを受けて、JALを含む国内航空各社と国土交通省が2016年から2017年にかけて協議した。それを踏まえ、国交省は2019年4月に省令を改正して電子フライトログを認めた。JALは2019年6月に初号機を受領したばかりのA350で電子フライトログの導入を進め、8月9日に国交省から認可を受けた。
JALは電子フライトログ分野に強みを持つ米ウルトラメインシステムズ(Ultramain Systems)のフライトログシステムを採用してカスタマイズした。フライトログシステムのサーバーはJALのデータセンターで動かし、操作端末として米アップル(Apple)のタブレット「iPad」をA350の1機当たり2台載せる。
少しマニアックな話になるかもですが、フライトログが電子化されておらず、紙だけで
やっていたというのも意外ですし、ビッグデータがこういった業界で有効利用されてい
なかったのも意外でした。素人が少し考えただけでも、こういった技術が有効に利用出
来る業界であったのは普通のことのように思います。まあ、全部お金のかかることなの
で良いと思っても設備投資がすぐに出来なかっただろうことも分かります。しかし、
CO2の排出が25%も改善なんて、なんて凄いんでしょう。787も鳴り物入りで導入され
て、バッテリーでケチを付けちゃいました。A350、是非頑張ってほしいです。