出典:下図、時事ドットコムニュースより
今日本国内もそうですが、各地方自治体でも「CO2排出ゼロ」を謳う自治体が随分増え
て来ました。雰囲気としては良いように聞こえますが、その内容を見ていくと「ん?」
と思ってしまう内容が結構あるんです。地球温暖化防止のためとされていますが
科学論で言っても長期的な温暖化が人間の活動によるものかどうかははっきりしていな
いのが現実です。それよりも太陽の活動の影響が大きいとか議論は沢山あるわけです。
下図がその「CO2排出ゼロ」の概念図ですが、「あれ?」と思いませんか。基本概念は
排出するCO2の量と吸収されるCO2の量が同量なら問題ないだろが、基本概念です。
これって科学的に言うと「方便」ですよね。だってCO2は出すんですよ。そう、出さな
い訳じゃない。どう考えても言葉遊びです。そんな気がしませんか。もう、はっきり
言えば、この件は「帳消し」プロジェクトです。大体、もともとの目的は、その地域か
ら温暖化防止のため、CO2を排出しないのはずが、単に帳消しでは本当に温暖化に寄与
しているかが全然分かりませんよね。
第一にこれですと元々の対象地域ではガソリン車もディーゼル車も普通に走って良いこ
とになります。再生エネルギーには少し関係したことがあるのでわかりますが再生エネ
ルギーで現状の電力を補える割合は蓄電等の関係で20%行くか行かないか程度のはずな
のです。それに高効率の発電所とありますが、日本は石炭火力発電を輸出しようとして
いる位で、海外から批判を受けても石炭火力発電は存続させるつもりです。確かに石炭
火力で燃焼させる石炭も決めて火力発電を高効率化させて海外の石炭火力と違うと言っ
てもCO2は排出されるわけです。
それともう1つCO2の地中回収貯留とはCCS(Carbon dioxide Capture and Storage)
と言う技術で自分もこれも業務で関わっています。一時期ブーム(多分儲かる技術)
と言う判断で実証試験も欧米でかなりしていました。これって単にCO2を集めて地下に
隠しておくだけです。それでも大気に出すよりは良いと言う判断なのでしょう。それ
に自分がこれに関係したことがあるのは関東の水溶性ガス田がCO2の貯留層として
様々な組織がそれの研究をしていたためです。当時は様々な組織や企業からお誘いの
声がかかっていました。その後どうなっているかは今は知りません。
そういえば、今もやられてるのか情報がないですがCO2の売り買いと言うビジネスも
流行っていました。国家間でもです。でもこれって本当に実質的な地球温暖化を防ぐ
手段になるの?です。それでも欧州では何年か後に全ての車両を電気自動車にすると
言う法律が制定された国もあるのです。それと比べれば日本はどうなのか、です。
いつもここで言うことですが、実際の政策が効果があるのか、そして謳い文句だけで
形骸化してないか、です。加えて子供たちに胸を張って言える内容なのか、です。そ
う考える自動車の規制もしていない、CO2の排出を踏まえての植林も増やした話も聞
かない日本は本当にどんなんだろうと思ってしまう次第です。