資源工学系の大学を卒業し、資源開発企業で働いていた者にとっては非常にショッキン
グなニュースが出ていたことに気付きました。何とメジャー企業である英国のブリティ
ッシュ・ペトロリアムが今後10年間で石油と天然ガスの生産量を40%減らす方針が
明確に出されています。これって本当に驚愕のニュースです。いよいよ石油系燃料から
の脱却をする時代と言うことです。
BPの今後30年間の予測では地球温暖化防止のため、石油天然ガスの消費量が75%も減
少する結果になっているそうです。もう大学時代なんてのは、40年も前の話になりま
すが地球温暖化防止で石油系燃料の使用が減るなんて話題は全く出ていませんでした。
まあ、大局的には地球は氷河期に移行する見込みですが、短期では気温上昇と言う感じ
でしょう。石油を燃やして排出される二酸化炭素が地球温暖化に影響しているかは議論
の別れるところですが、世論の関係上、どうしてもそうならざると得ないと言うところ
でしょう。
前にも言ったように欧州ではガソリン車やディーゼル車の使用が年度を決めて法律で
禁止になる国も出てきています。こんな世界環境の中で原油の98%以上を輸入している
日本はどう産業構造を変えてくのか、非常に関心がありますし、その動きがどうもはっ
きりと国内では見えてきていない感じです。一番は、やはりトヨタの動向でしょう。
どうもはっきり打ち出していない。内部ではそれはもうかなり検討しているんでしょう
けど。
もう10年以上前の話になりますが、本当にたまたまなんですが、石油大手の外資系の
企業トップと対面でお話しする機会がありました。当時でも石油消費量が年々減少する
であろうから、ガソリンスタンドの存続をどうするかとか石油系燃料以外への資本投資
のお話が出てきていました。当時はまだ先のことだけど、外資のトップは凄いと感心
ばかりしていた記憶があります。それがいよいよ実際にと言う感じです。燃料消費量
の削減原因は違うかもですが、そういう現実にです。
いずれにしても世界的な石油産業も斜陽化を迎える感じがしてきています。学生の頃に
見たセブンシスターズなんてのは本当に巨大な企業体だったですけどね。60年以上も
生きていれば、そんなこともって感じです。
註:セブンシスターズとは:19世紀末?20世紀にかけて世界の石油市場を支配した国際石油資本7社を総称したニックネーム。「7人の魔女」の意。アメリカ系5社(エクソン、モービル、ソーカル、テキサコ、ガルフ)とイギリス・オランダ系のロイヤル・ダッチ・シェル、イギリス系BPの合計7社がこれに当たる。原油生産、精製、石油製品の販売など石油上流部門から下流部門までに至る一貫した事業を全世界的な範囲で展開する企業のことを指し、“メジャーズ”とも呼ばれている。(コトバンクより)