世間の中年たちを震撼させている話、サントリーの新浪社長の「45歳定年制」の話が
話題になっています。本人に言わせれば、「定年とは意味が違う」とおっしゃってい
ますが、単純に考えれば「ほぼ同じ」と言えなくもない内容です。もっと言えば「
もう企業がケア出来ないので自分で生き方を新たに考えてください」ですから、簡単に
言えば、「企業が効率よく儲けるためには45歳以上は要らない」こんな感じのことかも
知れません。こんな風に考えていくと60代の自分が最初に思ったのは「いかに企業が
弱くなってきたか」と言う点です。サントリーがどうのでなく、本当に弱体化してま
す。
まあ、我々が経験してきた時期は「高度経済成長」と「バブル景気」でしたから、日
本経済がどんどん成長していた時代ですから比較としては、まずいかもです。それで
も良いか悪いかは別として「終身雇用」が普通であった時代は企業の力も相当あった
のだろうと思います。そして曲解と言われるかもですが、欧米式の企業経営思想を入
れて多くの企業はことごとく失敗しています。自分には、そう見えて仕方がない。
昭和初期の偉人とまで言える経営者も今はほぼいない感じです。まあ、MBAの取得等
も凄いと思いますが、素晴らしい経営者がほぼ見えない。はっきり言って滅んでしま
ったと言っても良いぐらいです。これは安定成長の時期には仕方のないことかも知れ
ません。
そんな中で定年を早めにした自分が実感したのは冗談抜きで今の「年金」では生活し
ていけないと言う大きな課題です。これは仕方のないことかも知れませんが完全に予
想外。どうも亡くなったじいちゃんばあちゃんが結構お金を持っていたので勘違いし
ていた気がします。こうなると老後のための貯蓄をしていくとか、可能なら資産運用
等で老後に備えていく必要があります。それともう1つ。今思うのは50代とか早い時
期から老後にどう自分が生活していくかを固めていく必要があるということです。
そう、お金を得るための若い時代からの仕事ではなく、終身どうしていこうとか、そ
ういう個人の生活設計ともいうべきものです。
そうなると若い頃から働いていた企業を一旦卒業するのもありかなと、そんな感じに
思っています。企業が個人の人生のケアをするのが無理なら、自分でやれば良いだけ
です。逆に言えば、やるしかない。色んな予測も考えたかもあると思いますが、現状
で日本企業が飛躍的に伸びることは当分の間は残念ながらないと踏んでます。どう考
えても今の政治は最悪ですし、ざっと見て伸びる産業が国内では見えてきていません。
以前の温室が急に風の吹きすさぶ荒野に出された感もありますが、30年逆も経済が停
滞したままでは、こうなるのも当然のように思います。そして、以前は大企業であっ
た会社もトップから始め、完全に弱体化しています。本来は反面教師とすべきだった
欧米の経営も完全に間違って導入したりしてますので、以前に良かった時期の日本企
業とは全然別物になってるわけです。
誰も声を大にして言いませんが賃金を上げず、その結果として企業の経済効率を高め
てるなんて、なんて情けないことか。そう思いません?そんなわけで新浪社長を悪く
言うつもりもなく、こんな状況なんだろうと理解した次第です。
て