気になるトピック&ニュース少し掘り下げブログ

沖縄の大好きな中年オヤジですが、ブログで色々取り上げています。(笑)

知らなかったガスコンロが身体に有害な話

自分が長く在籍していた会社が天然ガスの生産・販売をしていたので料理もガスコンロ

にしていたのですが、ここになってガスコンロは身体に悪いと言うレポートが昔から

出ていたと言うニュースをナショナルジオグラフィクスで見て、唖然としてしまって

ました。本当に冷静になって考えれば、それは普通にあるかもと言う結論に初めて辿り

ついたわけです。かなりまずい。もともとIHが好きじゃなかったし、自分の感覚ではそ

れに似た、例の電子レンジも大嫌いだったのでる料理はガスコンロと決めていたわけで

す。加えてオール電化なんて供給の面でリスクありすぎ!と思っていましたから。それ

が換気が通常、不十分なために人がガスコンロの燃焼で亡くなってしまうと聞いて、

本気でがっかりもし、エネルギー関係の技術者としては、本気で自分はアホやんと自責

の念を強くしました。

 

従って、今回もその記事を公開いたします。読んでみれば、はっきり分かるし、今度は

料理をどうすべきか、を真剣に考え直すきっかけにもなるはずです。記事の内容は読み

易いようにところどころ、人名や学会雑誌の名称等省略してあります。

ナショナルジオグラフィックス 2023.02】

「ガスコンロじゃないほうが良い」科学が示す二つの理由

(前略)

 ガスの使用によって室内の空気が汚れ、呼吸器系に悪影響があることは、1970年代から指摘されてきた。ガスコンロは強力な温室効果ガスであるメタンを燃焼させるため、家庭や商業施設でその使用を減らせば、温室効果ガス削減への取り組みにもわずかであれ効果がある。38%の家庭がガスコンロを使用している米国では現在、消費者製品安全委員会が、その排出物による室内空気汚染のリスクとそれを低減させる方法を模索している。

 2022年12月21日付で、学術誌にガスコンロと小児ぜんそくの関連性についての論文を発表した〇〇氏は、ガスからIHに転換することにより、気候変動対策、健康、使いやすさという3つの利点が得られると話す。〇〇氏の研究は、米国の小児ぜんそくのうち12%以上をガスコンロによる汚染に関連付けている。米国では12人に約1人がぜんそくを患っているが、そのうち子どもの患者は500万人だ。しかもその数は、増加の一途をたどっている。

ガスがぜんそくの原因に
 米カリフォルニア州を拠点とし、主に公衆衛生問題を扱う非営利団体の科学者△△氏は、ガスコンロを「家の中にある小さな火力発電所」と呼ぶ。その家の中で私たちは約90%もの時間を過ごすため、その影響は大きい。ガスを燃焼すると、二酸化窒素や微粒子、そのほか肺を刺激する物質が排出される。

 1970年代には既に、吸入されたガスが肺の奥深くまで浸透し、炎症を引き起こすということが知られていた。「ぜんそく患者の気道は敏感で、炎症を起こしています。そのような状態でさらにガスの排出物にさらされ続ければ、症状はますます悪くなります」と、南カリフォルニア大学の室内空気汚染の専門家である□□氏は指摘する。

(中略)

 しかし米国でもヨーロッパでも、室内のNO2濃度に関する規制は定められていない。米ダートマス大学医学部の医師で科学者である◎◎氏は、「外が寒いからといって窓を全て閉めたままガスを使って1時間調理すれば、24時間のNO2暴露量が25ppb増えてしまうかもしれません」と話す。同氏の調査では、調理中に濃度が500ppbを超えた家庭もあったという。

 低所得者層の場合、さらに問題が深刻だと、ボストン大学の公衆衛生専門家である▽▽氏は指摘する。「こうした状況にある人々への影響が心配です。NO2濃度が高い幹線道路沿いに住んでいるのでなければ、窓を開けるだけでも十分効果はあります。この問題は、幅広い背景を考慮して話し合う必要があります」

 

「子どもに悪いことは承知しています」
 公衆衛生の専門家である◎◎氏は、ガスコンロと室内空気汚染、呼吸器系疾患に関する数十もの研究を分析し、それらの関連性を調べた。すると、ガスコンロがある家庭の子どもは、ぜんそくを発症していたり将来発症するリスクが32%高いことが示された。

 ゲーリング氏は、次のように話す。「専門家として私たちは、何年も前からこのことを知っていたような気がします。ある意味喫煙と同様です。リスクがあるということは承知し、注意も払ってはいました。けれど、ガスコンロにはこれまで注目が集まることはありませんでした」

 最近では、家庭内センサーなどでより正確なNO2の暴露量を測定できるようになっている。米メリーランド州ボルチモアで実施されたある調査では、濃度が数百ppbに達した例もあり、その多くが調理に関連付けられることがわかった。また、高濃度のNO2にさらされた日はぜんそくの吸入薬の使用率が5倍に増えることも示された。


 2014年、某研究チームは、ガスコンロを電気に替えたり、空気フィルターを取り付けたり、換気扇を設置した家庭を調査した。すると、NO2対策として最も効果的だったのはガスコンロ自体を交換することであり、その結果NO2の濃度が50%低下していたことがわかった。米コロンビア大学の小児疾患と大気の質の専門家は、ガスコンロがどのくらい子どもや成人の肺に悪いかという正確な統計を出すことにはあまり意味がないと考えている。「子どもの肺に悪いことも、推奨するだけでは不十分であるということも、もうわかっています。あとどれだけ研究が必要なんですか」

気候への影響
 ガスコンロの使用が家庭の天然ガス料金に占める割合はわずかだ。しかし、全米のガスコンロを使用する4000万世帯を合わせると、年間の排出量は自動車50万台分の温室効果ガス排出量に匹敵する。

天然ガスのパイプラインは地下に埋められて隠され、見たり考えたりしなくて済むように作られています。私たちの生活はその末端にあり、驚くほど化石燃料と密接に結びついているのです」その結びつきをほどき、住宅や建物を電気化することは、脱炭素化に向けた重要なステップとなる。

家にあるガスコンロはどうするべきか
 ぜんそくやその他の呼吸器系疾患がなく、正しいガスの使用法を守っているのであれば、さしあたって健康への害を心配する必要はないと某学者は言う。

 正しい使用法とは、料理中は必ず窓を開けたり換気扇を回し、後列のバーナーがある場合はそれを使用し、ガスオーブンやコンロの長時間使用を避けることなどだ。

 しかし、カリフォルニア州の家庭で行った実験では、規制に準拠した換気扇でもガスコンロによるNO2汚染を半分しか除去できていないという結果が出ている。また、ほとんどの人は、火をつけるたびに換気扇を回すことを徹底していない。

 ガスコンロの交換を考えているなら、選択肢は日々広がっている。米国では、2022年のインフレ削減法により、ガス以外のコンロを購入する際に補助金を受けられるようになった。

(後略)