自分は食べることが相当好きで、また、仕事柄も接待が多かったので、本当に色々食べ
させて頂きました。これはかなり幸運、ラッキーだったように思います。家では妻が工
夫して色々作ってくれますが、最初の頃は結構、食べ物で喧嘩になったことがありま
す。お互いに東北、それも隣の県ですから、似たような感じなんだろうな、と思ったら
全然違う。夫婦は異文化同士のぶつかり合い、なんて言葉もありますが、まさにそうで
した。
新米の時期になると、妻の実家から、きりたんぽが毎年送られてきます。比内鳥もつい
て本当にありがたい。最初の頃、こんなことがあったんです。晩御飯になって食卓に
付くと、きりたんぽがテーブルの上に乗ってます。「きりたんぼだね。あれ、ご飯
は?」妻「ご飯なんてないよ、きりたんぽがご飯でしょ」「え、きりたんぽ、って鍋で
しょ。ご飯がないと」妻「ご飯はないの。炊いてないよ。」「・・・・・」お分かりに
なります?あちらの方は、きりたんぽの際はご飯は食べないのです。私はきりたんぽは
鍋でおかずだから、ご飯があって普通だったのです。ねえ、お隣なのに全然違いますよ
ね。
また、また鍋の中にセリが入るんですけど、ある時に、鍋の中にセリの根が入ってまし
た。「あれ、セリの根っこが入ってる。間違って入った?」妻「何も間違ってないよ。
セリ根は食べるでしょ。」「え~、根っこなんて絶対に食べない!」妻「私の所では鮮度の良い根も昔っから食べるんだよ。食べなよ!」「・・・・」
こんな経験が幾つもあります。実のところ内容はどうでも良いですけどね。でも、完全
に風習の違いですし、どちらも慣れた通りに食べようとしている、単にこれだけなんで
すけどね。結構もめるし、驚きます。まあ、こんな感じです。もう、本当に古い話に
なりますが、自分がお隣の県の女性と結婚する話を亡くなったおばちゃんにしたら、
おばあちゃんが一言、「お隣は昔は官軍だからね。こっちは幕府軍だったから。」「ん
ー、なんなんだぁ。それ。」多分、おばあちゃんにしてみれば、風習が全然違うんだ
よ、ぐらいのことを私に言いたかったのかも、と今は思ってます。今回は食文化の違い
についてでした。近いようでかなり違うんですよね。