今回は今までで、たった1度の本当に不思議な出来事のお話をします。もう、昭和天皇
の崩御の日のことです。昭和64年1月ですよね。その日、本当は喪に服さないといけ
ないのに自分は釣りに出掛けました。当時はまだ、釣った魚をリリースしてないので
殺傷になるのを分かっていて勝浦方面のいつもの場所に釣りに行きました。内心はまず
いかなぁと思いながらの釣りだったわけです。場所も、もう多分100回ぐらいは通っ
て馴染んでいる危なくない場所です。いつも黒鯛狙いで夜釣りなので、その日もそれで
いつも場所に行きました。1箇所だけ少し細い堤防があって、そこを歩くのですが
なんとその日は、その堤防を歩いていて、海に落ちてしまったのです。もう何年も
釣りをやっていましたし、第一普通落ちるような危険性のある場所でもない。
それもですね、感覚からして落ちてないんです。横に払われた、そんな感じです。
誰かがふっと押した、、そんな感じだったのです。落ちたときも、え?あれ?そんな
雰囲気でした。だって、落ちる状況ではなかったのですから。海に落ちたとき、何故か
死んだじいちゃんのことが頭に浮かびました。じいちゃんが天罰じゃろ、とか言ってる
感じです。何年もじいちゃんんことを思い出したりは余りしてないし。でも、なんか
じいちゃんが俺を戒めるためにやったような、そんな気がしました。海に落ちてすぐに
その堤防で同じく釣りをしてる人が様子を見になってきました。「自殺かと思った。」
そんな風に言われましたね。海は浅くて立とうと思えば立てる深さです。そして驚いた
ことに落ちたすぐ脇に大きな岩がありました。これに当たっていたら、死んでいたかも
知れません。本当に脚を滑らして、落ちたのではなく、横向きで落ちてますから。岩を
見てぞっとしましたね。天罰だったとしても殺す気ではなかったんだな、そう思いまし
た。そして、その時、大事な大事な黒鯛用の高い竿を無くしてしまいました。どこを探
しても見当たらないです。もう、がっかりなんてもんじゃ無かったですけどね。でも
でも、死んだり怪我したりしてない。今まででも海に落ちたのは、この1回だけ。
それも昭和天皇崩御の日に慣れた堤防で横になぎ倒されて。たった1度の本当に不思議
な出来事でした。普通絶対に横になって落ちないですから。絶対にです。