内容はそんなに大した話ではないのですが、過去に1度だけ、どうしても不可解な出来
事がありました。社会人になって千葉に住むようになってからは、一時期かなり海釣り
にはまっていて週に何度も釣りに行っていました。当時は本当に30㎝を超えるクロダイ
をどうしても釣りたくて仕方なかったのです。だから仕事が終わってからも勝浦の某漁
港で夜釣りをしたりしていました。当時は本当に元気でタフでしたね。もちろん、好き
なことだったので疲れも知りません。忘れもしない昭和天皇の崩御の日、昭和64年の
1月7日にも釣りに出掛けたんです。内心は天皇が亡くなったのだし、殺生は駄目駄目か
な、釣りなんて不謹慎かなとも思いましたが、「いいや、釣り人もいないかも」と
思っていつもの漁港に出掛けたのでした。
それで冬の時期だし、しっかり防寒をして漁港の先に行こうと思い、幅80㎝ぐらいの
コンクリートのところを歩いているところでした。そこでなんと、右側横から思いっき
り払われたように漁港に落ちてしまったのです。「いやー、本当に驚きました。」
だって今まで海に落ちたってのは一回もないのです。それも足を踏み外したのでは
なく、完全に横からぐい!っと押されたような落ち方をしたのです。当然、ジャパーン
!と言う落ちた音が周囲に響きました。一瞬自分は何が起きたのか分かりませんでした
ね。少し水中でもがいて、外灯のある方に頭を向けて、初めて海に落ちたことが分かっ
たのでした。こんな時期ではあったのですが、他にも釣り人がいたらしくて、すぐに
堤防のところから「おーい!大丈夫か?」と叫び声を出されました。男性が1人、近く
にいたらしいのです。「あー、自殺かとも思った」そんなことも言われました。
その時に何故か、自分はすぐに「じいちゃんに怒られた」そんな風に思いましたね。
ここで言う「じいちゃん」とは母親方のじいちゃんですが、戦争にも行った世代なので
天皇のことは尊敬していた人です。「こんな時に釣りなんかに来やがって」何故か
そんな風にじいちゃんに言われた気がしました。そして夜だったのでヘッドランプも
持っていましたが大事にしていた釣竿を無くしました。どう周囲を探しても見つからな
いのです。「あぁ、これも天罰かな。」そんな風に思いましたね。それに自分の周囲を
よく見てみると50㎝も離れていない箇所に大きな岩がありました。その岩が水面からは
出ていないのですが、そこに落ちていたら頭に大怪我か、打ちどころが悪かったら
死んでいたかもしれません。そんなことを考えましたね。しかし、今思っても信じられ
ません。だって、足の踏み外しじゃないんですよ。完全に横から払われた。そんな状態
だったのです。だから、今でも、その堤防からの落下は、じいちゃんからの天罰だった
と思ってるんです。そうじゃないと説明が付かない出来事だったのです。自分の思い込
みもあったかもでしたが、本当に不思議な、たった1回の出来事でした。