もう多分、20年以上の前の話ですが時間があれば海釣りに行っていた時期がありまし
た。一番最初は黒鯛狙いです。相当ハマってやってました。釣れれば夜通しでも構わず
やったりしてました。釣りは好きでも下手なままだったので、30㎝を超える黒鯛はなか
なか釣れません。なんせ普通の漁港の岸壁からでしたから、磯でもなければ、船に乗っ
ての沖の堤防で釣ってるわけでもないので、釣れても黒鯛の子供、カイズと言うのが
たまに釣れる感じです。それでも連日通って行くうちに釣れる数も少しづつ増えたりは
していたのです。明かりのない外洋のテトラポットで大した仕掛けでもないやつに大き
なサイズのカイズが来たり、真冬の12月に漁港の船道の深いところにカイズがどうも
溜まっていたらしく、相当数のカイズが釣れたりも経験しました。そして、ある年の
5月の連休の頭に45.5㎝のメスの黒鯛が遂に釣れたのです。
その時はもちろん、引きも強かったし、自分で玉網に入れた時の余りの重さ(たかが
1.5㎏なのですが)が重すぎて、何故か片手で引き揚げても重く、岸壁に無事引き揚げ
た際には余りの興奮と感動で膝がガクガク震えてしまい、どうしようもなかったので
す。なんせ釣りが下手な自分にとっては夢のような出来事でしたから。帰りに釣り餌
屋さんで魚拓を取ってもらい、興奮のまま、当時の会社の独身寮に戻った記憶が残っ
ています。しかし、その黒鯛をさばいてみたら、卵がしっかり入っていて、所謂、
乗っ込みの産卵時期の若いメスの黒鯛だったことが分かり、とっても可哀想なことを
したと大反省したことがあります。あのメスの黒鯛には今でも少し申し訳なかった
と言う気持ちがあります。乗っ込みのメスの黒鯛を釣るなんて、自分の釣り師マナー
に反則な行為だったわけです。
そういう意味では磯が焼けるというオキアミのコマセも嫌いでしたし、籠釣りなんか
も嫌いでした。籠釣りで楽しんでる方を批判するつもりはありません。単にコマセが
嫌いなだけです。そういう訳で船での釣りもやりましたが、通常、陸からでは釣れな
い魚を沢山釣るのも何か楽しくないような、そんな気さえしてきます。実は米国で
研修を受けていた期間があったのですが、その時はテキサスのヒューストンが拠点で
生活をしていました。その際にディープシィーフィッシングを1度したことがありま
した。レッドスナッパー言わゆる鯛狙いの釣りです。それが釣れるは釣れるのですが
正直、楽しくなった感じがしてました。
1つは仕掛けの雑さ。これも釣れるから文句がないようにも思うかもですが、針が
でかい!太さが1mmを超えるような太い針に針自体がでかい!まあ、それにイカの
切り身を付けて釣るんですが、釣れます。魚体のサイズを測るスケールがあって、そ
れより小さいのは即、リリースです。当時自分はホテル住まいでしたので、釣った魚
は近くにいた人たちにあげたのですが、「お前なんで持って帰らないの?」と何度も
聞かれたりしていました。まあ、米国の研修は本当にスケジュールがタイトでお休み
もそれほどなかったのですが、そんな記憶があります。下手ながらに「こだわり」が
あるだと思います。日本の繊細な仕掛けの方が絶対に好きです。
お話が米国での深海釣りになってしまいましたが、海が好きな自分にとって外房は
本当に好きな場所なのです。