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沖縄の大好きな中年オヤジですが、ブログで色々取り上げています。(笑)

日本の大学のレベルダウンは現状では防げないー日本の大学ランキング一人負けの理由ー

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Times Higher Educationと言うホームページで世界大学ランキングで日本の大学が20位

以内にも入れず、中国の大学が20位以内に入っていることが騒ぎになっています。東京

大学が36位、京都大学が54位。ちなみに1位から3位までを言いますとオックスフォー

大学、スタンフォード大学、そしてハーバード大学となっています。評価基準に不満

言う方もいるようですが、この基準で順位を付ければ単にこうなったと言うことで

別に文句をつけてどうなるものでもありません。

 

しかし、逆に今の日本の大学はどうなってるんだと疑問を持つ方は、いらっしゃるでし

ょう。そう、自分が大学を関わっていたのは何年か前になりますが、その時点で自分の

目で見ておかしいところ、このままでは大学の機能を果たさなくなると言った点が多々

あったのです。前にもこの点は、ここで説明いたしましたが、現状それは変わっていな

のだと推測します。事の発端は中曽根内閣の際に大幅に大学の予算を削減したことから

始まります。当時の大学に問題点があったのも事実かも知れませんが、これで大学は本

当に研究費が無くなりました。自分が過去関係したのは国立の3大学ですが、そのうち

2大学は旧帝大です。自分の勝手な判断になりますが、学問はケチっては良い結果はな

かなか出にくいように思います。そこで無くなった研究費はどうなるか、と言います

と自分たちで研究費を工面するわけです。そう、大学の先生方が研究費を得るために

その活動をするわけです。もうここで先生方のマンパワーが研究以外のことに使われる

わけです。

 

昔の大先生が子分の先生たちに研究費を分配していたのが良いとか言いませんが、とも

かく研究費を獲得する労力が増え、そして、その研究費を外部から得た場合は、結局

成果が問われるわけです。大学もそれらを評価して先生方の評価をします。これって

まるっきり会社員と大差ない状況です。評価も1年か長くて5年程度でしょう。5年でテ

ーマの大きな研究は出ると思いますか?多分、無理でしょう。そして、こつこつと何年

も時間を要する基礎研究には予算が付かないし、それをやる研究者がいなくなります。

そう、日本が得意にしていた地道な基礎研究が出来ない状況が今の日本の大学なので

す。少しここでも触れましたが、日本人は欧米のやり方が何でも良いと思っている節

がありますよね。ここでもそんな感じが受け取れます。しかし、今までの方法の是非

はあるとしても今までの日本の研究成果って評価されていいんじゃないでしょうか。

 

最後にもう1つ。大学にはポスドクと言う研究者がいます。ポストドクターの略で博士

号を取得した後の研究員のことなのですが、この方々は各研究を支える縁の下の力持ち

と言って良い方々ですが、この方々の人件費が減少では出にくい。出ても生活出来る

レベルじゃなかったりです。この方々の支えがなければ日本の大学の研究は出来ませ

ん。何年か前にこれが社会問題としてマスコミにも取り上げらましたが、今どうなっ

ているのか。

 

こんな状況で優秀な研究者は日本を出て欧米に行ってしまうのは当然のお話なのが

分かるでしょう。研究費が出てこないのですから。昔は技術大国と言われていた日

本もGDP世界第3位は変わらなくても、こんな大学の状況なのです。ですから、これか

らはノーベル賞受賞も減るでしょうし、それよりも技術の下支えがなければ日本は本当

にどうなっていくのか。非常に頭の痛い問題が解決されず残ったままなのです。