千葉県を襲った台風の被害の甚大さは何度もここでもご紹介しましたが、東洋経済
オンラインで東金市のイチゴもかなりの被害を受けていたニュースが報道されました。
県南はもちろんですが、こっちもかよ、、って感じです。そう考えれば台風被害は県下
全域で本当に全県で緊急対応が必要な感じです。正直、こっちにもこんな被害がかよ
です。んー、立ち直れるんだろうか、他人としては勝手に立ち直ってほしいとか
思ってしまいます。東金イチゴはそこそこ好きで、めっちゃ甘いわけじゃないかなと
は思ってますが、時期になると買ったりしてました。そう、ちょっとした地元の名産
ですね。でもそれが、、、、。ニュースは東洋経済オンラインからです。
【東洋経済オンライン 10月3日】
「千葉のイチゴ農家」を襲った台風の厳しい現実
「今年のクリスマスに間に合わない」悲痛な叫び
「うちはたくさん苗を育てているので、なんとかカバーが利くかもしれませんが、小規模なところだと全滅ということになりかねない。千葉のイチゴ農家の被害は本当に深刻なんです」こう話すのは千葉県東金市でイチゴを生産する猪野裕斗さん、27歳。
あまり知られていないかもしれないが、千葉県は2017年にイチゴの生産量全国9位(農林水産省統計)。「チーバベリー」や「黒いちご(正式名称「真紅の美鈴(しんくのみすず)」)」などの千葉県独自の新種イチゴも次々生み出しているイチゴ生産県だ。
千葉のイチゴを襲った深刻被害
9月上旬に日本列島を襲った台風15号は、千葉県のイチゴ農家に深刻な被害をもたらした。千葉のイチゴにいったい何が起きているのか? 猪野さんのイチゴ農園取材で見えてきたのは、台風上陸から1カ月近くたった今でも被害が深刻化している状況だった。
「このままでは、いちばんの書き入れ時であるクリスマスの時期にイチゴの出荷が間に合わなくなるのではないか」という、千葉のイチゴ生産者たちの死活問題に関わる事態が現在進行中なのだ。
「台風対策は僕たちもしていたんです。ハウスのドアの開口部にパイプを打ち付けて、風で押されてもパイプで止められるようにして、換気扇を回しっぱなしにして風の逃げ道を作りました。中に風が入っても内側から持ち上げられて飛ばされないようにして。それでも全然ダメでした。風の勢いが強すぎました。8割のハウスが被害を受けてしまったんです」
猪野さんはビニールハウスの被害のあまりの大きさに目を疑ったという。完全に潰れてしまっているハウスもあり、ビニールが飛ばされたハウスや、換気扇や入り口のドアが吹き飛ばされているハウスもあった。そして、一見大丈夫そうに見えるハウスの骨組みも、風の力によってパイプが曲げられてしまい、修理しなければ使えない状況になっているものが多かったという。「今はビニールを入手するのすら順番待ちなので、にっちもさっちもいかない状況になっています」
修理をしたくてもままならない現状。さらに深刻なのはビニールハウスの中で育てられていたイチゴの苗の被害だ。「1次被害として、ハウスのビニールが飛んでしまい、巻き上げられた海水をかぶったイチゴの苗が塩害でやられてしまいました。2次被害として、雨風にさらされて傷がついて、病気になったり枯れてしまった苗がつぎつぎと出てきている状況です」猪野さんによれば、イチゴの苗はとても繊細だという。
「みなさんは、あまりご存じではないかもですがイチゴはバラ科の植物です。バラはとてもデリケートで、湿度や水分量をコントロールして育てるのが難しい。イチゴも結構デリケートで、1日水をあげなくても、逆にあげすぎてもすぐ調子を崩します。普段はハウスの中にいるイチゴが、ハウスがない開けっぴろげな場所で風に吹かれたり雨に打たれたりしたことで傷がついて、そこから病気になってしまっています」
毎日のように苗の様子を見て、傷ついたものを消毒する。しかし、日に日に状況は悪くなっていっているという。
「3万本ある苗のうち、5000本が現状でやられてしまいました。今後もっと多くの苗がダメになってしまうと思います。苗から苗へ感染する病気が発生する恐れもありますし。毎日苗を捨てているのが現状です」このままではクリスマスに間に合わない
そして、猪野さんを焦らせていることがもう1つある。それはイチゴの苗を畑の畝に植え付ける作業を早くしなければならないということだ。
「今(注:取材日は9月23日)が本来なら植え付けの追い込みの時期ではあります。本来9月の頭から始めて、今頃には終わってなければいけないのですが、すでに1カ月ほど遅れています」ちょうど植え付け作業を始める時期に、直撃した台風。おかげで植え付けが大幅に遅れ、いつ始められるか見当もつかない状況になっている。それが「大きなダメージ」をイチゴ農家に与えるのだという。
「ハウスで生産されたイチゴを皆さんが口にする時期はクリスマス前くらいから、終わりはだいたい5月の末までだと思います。冬といえばクリスマスがあって、クリスマスケーキの上にはイチゴがのっているというイメージがとても強いものですから、イチゴが連想されるのはやっぱり冬場。1年でいちばんイチゴが売れるのは、なんといっても12月です」
植え付けが始められないと、12月にイチゴの生産が間に合わなくなるかもしれない。
「被害を受けた農家の中には、1月中頃にならないとイチゴが出荷できないところも多いでしょう。そうなると12月の最もイチゴが売れる時期を逃してしまうことになってしまう。そうすると収入もかなり減ることになりますね」
猪野さんによると、被害を受けたビニールハウスを修理するには、1棟当たり100万単位のお金が必要になるという。それに加えて、日々進行する苗の損害。さらには、クリスマス時期の商機を逃すことによる収入の大幅減などが重なり、一刻も早く手を打たないと千葉のイチゴ農家は致命的な打撃を受けてしまいかねないという。
ついに廃業を決めた生産者も出始めた。
「高齢の方から、笑って『農業を辞める。あとは若い者に任せる』と苗を譲られました。頑張ってきた姿をずっと見てきましたから、辞める決断をしなければならなかった気持ちを思うと、本当に切なかったです」千葉県内のイチゴ農家も高齢化が進んでいるという。猪野さんのように跡を継ぐ人も少なく、近年の自然災害の増加は、廃業を決断させるのに十分すぎる理由となっている。
「ハウスがダメになって、補修にかかった費用をこれから先取り戻せるかという話になったとき、自分が生きている間には取り戻せないっていう方がいらっしゃるということ。息子さんに『自分がここで頑張ったところで、この先何が起きるかわからない。自分の体にも、自然災害にしても。これを機に辞めてしまったほうがいいのではないか』と話したという方もいる」
こうした中、猪野さんたち若い生産者やその周囲の人が、「なんとか現状を知ってもらいたい。そして、現状を打開していきたい」と動き始めている。東金市出身で、東京で会社員をしている平林磨衣さんは、小中学校の同級生である猪野さんの窮状を救うべく、クラウドファンディングを開始した。そして、「千葉県のイチゴ農家を救えないか」と猪野さんや平林さんたちが支援を求める活動を開始した。高齢化が進む千葉のイチゴ農家たちを、若い世代が助けるべく動き始めたのだ。
台風の被害は想像以上に深刻だ
「今年のクリスマスにはぜひ、千葉県産のイチゴのクリスマスケーキを食べてほしいです。そして、千葉県民と、千葉の農家が受けた被害のことをぜひ思い出してほしいです。被害が深刻なのはイチゴ農家だけではありません。僕が知るだけでもブドウ農家さんも、花をハウスで育てている農家さんも同様に深刻な被害を受けています。そうした人たちのこともぜひ忘れないでほしいのです」
千葉県が9月26日に発表した資料によれば、台風15号の影響による農林水産業への被害額は、農業施設などが約238.7億円、農作物などが約99.5億円などに達した。
畜産・林業・水産を含めた合計368億円の被害は東日本大震災の被害額(約346億円)を超えている。千葉県では復旧に向けた支援を行うと同時に国への支援措置も要望している。猪野さんのようなイチゴ農家だけでなく、県内全域で大きな被害をもたらした今回の台風。行政側の支援だけでなく、民間企業や私たち1人ひとりの支援も重要だ。
台風対策もしてあったのに、今回のこの被害です。自分の家もTVアンテナが倒れた感
じになったのはアンテナの台の部分の脚が曲がったためです。まあ、古いとは言いな
がら防錆措置はしてあったし、曲がったのは4本ある脚のうち、1本だけ。考えてみる
に多分、風下の脚が曲がったのだと思います。でも相当な風です。そんな風ですから
ビニールハウスのパイプも曲がるでしょう。そして、その修理費用が1ビニールハウ
スで100万円台ですか。。。。それにイチゴをやってる方がご高齢で廃業。切ないで
す。これはイチゴだけでなく、他の農業にも言えることでしょう。
そんな相当の被害なのに、余り県の対応も国も対応も聞こえてこない。こんか壊滅的
な被害が出てるのに何故でしょう。本当に不思議で、私の耳にニュースが聞こえてきて
いないだけなら良いですが、公的支援がないと、こういった産業は立ち直れないと
思います。そこはしっかり判断して頂いて、是非公的支援をよろしくお願いします。