このニュース、出ていたのは知っていましたが現実にどうなるか分かっていませんでし
た。しかし、その内容が分かってきたら、「なんでこんなことをするの??」と言う
気持ちに急変しています。どうもトランプ大統領の考えていることが分かりません。
今再選に関しても人気が下降とも言われていますが。んー、どう考えても本件に関して
は米国の産業を衰退させる気としかしか考えられませんね。一体どうするつもりなの
でしょうか。全然理解が出来ない。ニュースは「はてなブログ」からです。
【ブログ:シアトルぐらしのソフトウェアエンジニア】
本日6月22日に、トランプ大統領は非移民労働者のビザを停止する大統領令に署名しました。ここ1,2週間ほどずっと噂されていましたが、ついにという感じです。
何が停止されたのか
下記のビザの新規発給およびアメリカへの入国が6月24日午前0時1分(東海岸夏時間)をもって停止されます。
H-1B ビザ: アメリカ企業で働く特殊技能職ビザで、ソフトウェアエンジニアはだいたいこのビザで入国することになります。
L-1 ビザ: いわゆる駐在員ビザで、多国籍企業が社員を異動させるのに使います。外資の日本法人からアメリカ法人に異動するパターン、日本企業がアメリカに駐在員を送る両方のパターンが対象です。 L-1A(管理職) と L-2B(専門職) の両方が対象です。
J-1 ビザ: 訪問交流者ビザ。大学にいる研究者や企業のインターンで使われる中期滞在用ビザです。
H-2B ビザ: 短期就労者ビザ。H-1B に含まれないような一時的な需要や季節労働者(例えばスキーリゾートなど)が対象です。
また、上記のビザに紐づく配偶者ビザも対象です。4月から停止されているグリーンカードの新規発行制限は延長されました。ただし、この大統領令が有効になった瞬間に有効なビザを持っている人、アメリカ国内にいる人、ビザ以外の渡航書類を持っている人(例えば advance parole)は対象外です。ここの読み方が曖昧な点があって、移民弁護士内でも見解が分かれているようです。
それ以外に、グリーンカードの申請カテゴリEB-2, EB-3の見直し、H-1Bの割当方法の見直し、ビザ申請前に生体情報の提出を求める変更、逮捕歴や国外退去歴のある人の労働許可の取り消しなどの変更が記述されています。有効期限は2020年12月31日までですが、期限の延長が可能です。
エンジニア周りでは誰が困るのか
ほぼ全員です。一部博士号を持っていて世界的な研究成果があるなど特別な要件を満たす人は O-1 ビザを取れますが、それ以外の人はだいたい H-1B ビザまたは L-1 ビザでアメリカに来るでしょう。
特に困るのは今年 H-1B ビザの抽選に通って、この10月から働く人たちです。H-1B ビザは毎年数が決まっていて、4月に抽選し10月から有効になるのですが、この数万人がアメリカ企業での内定が危うい状態になります。この大統領令は特にこの H-1B ビザ新規発給者を狙い撃ちにしていると言われています。
すでにアメリカで働いている人はすぐに国外退去にはなりませんが、年末までにビザが切れる場合にはややこしいことになります(いちおう更新は可能との情報です)。また、仮に現在ビザ更新のために海外に居た場合には再度入国できません。
ビザの更新はできるの?
報道や弁護士見解によると、アメリカ国内でのビザステータスの更新はできるようです。
他にどんな人が入国できなくなる?
この大統領令ではOビザ、Eビザ以外のほぼすべての非移民労働者が対象となり、年間のビザ発給数は52万件にもおよび、半年間も止まると数十万人の人およびその家族に影響が出ます。
エンジニア以外にはどのような例が考えられるでしょうか。いくつか具体例を出してみましょう。
トヨタ自動車、フォルクスワーゲンなどの外資企業がアメリカ国内で工場を持っているときに、本国から管理職や役員を送り込むことができません。新規に投資したい場合もビザは降りません。
日本の商社から駐在に行っている人が期限を迎えても代わりの人を送ることはできません。
アメリカ地方の病院で海外からの医者を迎えることになっていた場合、その医者は来ることはできません。
アメリカの学校が外国語教師などをJ-1ビザで呼ぼうとしていた場合、そのビザは降りません。
アメリカ国内に家を持っていても、ビザの更新のために一時帰国していた場合、年末までに再入国ができなくなります。
どんな悪影響が考えられる?
アメリカの移民は長らくアメリカの競争力の源泉でした。移民一世または二世によって創業されて、大きくなった会社の例を上げると
Amazon
Apple
Google
Facebook
Oracle
PayPal
Tesla
NVIDIA
などです。Fortune 500の会社の45%を占めるとも言われます。莫大な富と雇用を生み出したこれらの会社が、もし存在しなかったらどうなるでしょう?
アメリカ国内ではおよそ700万人以上が外資企業によって雇用されています。この人たちの管理職や経営者となる人たちが入国できなくなるため、投資計画の見直しや縮小が懸念されます。COVID-19のあとに新規に投資計画があったとしてもビザは降りません。メキシコやカナダへの流出が考えられます。
アメリカの大学に行ってその後就職しようとしていた人も、この不安定な状況を見て考え直すかもしれません。アメリカの大学の学費は多くが留学生によって負担されています。
もしかすると報復のために、アメリカ人のビザを制限する国が出てくるかもしれません。870万人のアメリカ人が海外に住んでいて、その中の全員では無いものの多くの人が海外で働いています。この人たちの滞在資格がなくなり、職を失うかもしれません。
多くのアメリカ人は移民はアメリカ人がやらない仕事をしていると考えています。移民一人あたり1.2人の新しい雇用が生み出されているという声もあります。下のグラフでは、薄い色の割合が「移民はアメリカ人がやりたがらない仕事をしている」と考える人の割合です。アメリカ人全体で見ても64%がそう考えています。
トランプは何をしようとしている?
トータルで見て何も得になるとは思えません。こういった労働者ビザは、そもそも発行されるときに「アメリカ人では代わりにならない」ことを求められるので、外国人労働者が居なくなってもアメリカ人の雇用が増えるわけではありません。それどころか減る可能性さえあります。
大統領令には「外国人労働者はアメリカ人の雇用にとって脅威」などの強い言葉が並びます。単にCOVID-19に伴う失業者増加を言い訳にして、移民を排斥しようとしているかのようです。11月の選挙をにらんだ有権者へのアピールも考えられます。
これらの外国人排斥につながる動きの後ろには、Stephen Miller (スティーブン・ミラー) がいると言われています。メキシコ国境で親子を引き離したり、国内にいるビザ無し移民を拘束して退去させたりと強行的な政策を立案しているのは、この人物です。
大統領令一つで何十万人の人間が不幸になっているという事実をもっと広く知ってもらいたいです。万が一延長された場合には、さらに影響が大きくなるでしょう。
https://seattle-life.hatenablog.com/entry/2020/06/23/143515
これを読んでも本当に恐ろしいです。もともとトランプ氏は思慮が足りないと言われて
来ました。側近のレクチャーもしっかり受けないような話も。恐い限りです。米国は
これから一体どうなるのでしょうか。
追記:令和2年7月30日