出典:ナショナル・ジオグラフィックHP
異常気象の話は現在、日本で大災害となっている大雨もそうですが、なんとツンドラで
は気温が40℃近くまで上昇する日が続き、加えて、その熱波によって山火事が多発し
異常事態となっているニュースが報じられました。永久凍土等がある地域ですから、
気温38℃なんてことは、まず起きないのが普通の地域なのに、そんな気温が現在、
続いているそうです。その熱が蓄積されて自然に山火事も起きてしまうとのこと。
ここであげた最初を図をご覧になってください。7月6日までの1週間で確認された山
火事が尋常じゃない個所数となっています。これはもう消火の出来る状況では全くあ
りません。ただ燃え尽きるまで待つ、そんな対応しか出来ないでしょう。更に非常に
恐いのが、この地域は泥炭層もあり、そこに燃え移ったら、なかなか火事が消えないと
いうことでしょう。熱で永久凍土が解けて、熱で乾燥して燃えたらと思うと本当に恐い
状況です。
同じように「腐葉層」と呼ばれる、地面に堆積する腐りかけた有機物の層もまた、徐々
に温まり、乾燥してきているということなので、こういった層も燃えることになるんだ
と思います。個人での勝手な判断ですけどね、これは。実際に学者の方々も、今回の
熱波や山火事の実際はまだ調査中のようです。もう1つもし、永久凍土等が解けて
人間に何の害が出てくるかという例では、永久凍土で封じ込められていた病原菌が
解放されてしまうと言う実例も過去にあったようです。
2016年8月、北極圏にあるヤマル半島と呼ばれるシベリアのツンドラ地帯の僻地で、炭
疽病に感染して、12歳の少年が死亡し、少なくとも20人が入院したのが、その実例の
1つです。この事件についての仮説は次のようなものであったそうです。75年以上前、
炭疽病に感染した一匹のトナカイが死んで、その死体は永久凍土層として知られる凍っ
た土壌の層の下に閉じ込められた。それは2016年夏の熱波で融けるまで、そこにあっ
たそうです。トナカイの死骸は感染性炭疽菌で汚染されており、それは近くの水や土壌
に放出され、やがて食物供給系も汚染した。近くで草を食んでいる 2,000頭以上のトナ
カイが感染し、その後少数の人間にもその感染症をもたらしたというのが、この事件
の原因推定になります。
炭疽病(たんそびょう)は単語だけ知っている非常に恐い病気。調べてみると炭疽とは
「炭のかさぶた」の意味であり、この病気で黒いかさぶた(瘡蓋)ができることから
その名称が付けられたとなっています。病気としてはヒト、家畜問わず致死率が高く、
感染経路によってはエボラ出血熱やペスト(黒死病)に匹敵するほど危険な感染症とな
るそうです。ただ、人から人へは感染しないので伝染病ではないそうな。でも非常に
恐いです。こんな感じのことが永久凍土が解凍されると怒る危険性では出てくるのか
もしれませんね。