昨日あたりのニュースで富士通、NEC、コカ・コーラ等の大手企業で45歳以上を対象に
早期退職者を募っている話が出ていました。労働力が足りないとか、年金受取も年齢を
更に高くもっていこうと国が考えている際に45歳以上の労働者はどうすれば良いんだろ
うと悩んでしまうこともあると思います。近い将来70歳でないと年金が満額もらえない
とか、もっと突っ込んで言いますと国に払った分だけ、もらえないと言うのが現状です
からはっきり言って公的な詐欺にあってしまうようなものです。
そうなっていくと老後資金を十分な位貯えていない方達は、70歳を超えても働くケース
が以後どんどん増えていくことが想像されます。従って、従前のような賃金の安い、腰
掛けのような労働ではなく、高価値を生み出す本気での労働形態にしないと、これから
老後を迎える人たちは満足な生活が送れないと言う非常に悲惨な将来が待ち受けている
ことになってしまいます。
そして付け加えるべきは中年以上の労働者は不要と考える企業側の問題があります。労
働者が若くなれば企業にとって労務費も安くなるは良いのでしょうが、マニュアルにな
いノウハウの継承はどうするだ、と言った点です。ここが非常に日本は弱い気がしてい
ます。もともと日本は徒弟制度でノウハウを繋げていた部分がありました。現状そこは
どうなっているのか自分では皆目見当も尽きません。そして重要なノウハウはマニュア
ルには記述出来ないと言うのが一般的なお話です。そこを人工知能等がカバー出来るの
か、自分は知りません。しかし、過渡的な状況では人間が、ベテランたちがそれをカバ
ーせざると得ないでしょう。実際自分は団塊の世代が退職したために会社の存続を止め
た企業があることも知っています。そういう時代になっています。そして、過去の団塊
の世代の頑張りで世界に確固たる日本企業の地位を気付いたことも知っています。でも
今、それは完全に過去です。そして企業は独自性を確立したところで製品等に高価値を
付けて海外に販売していく必要があります。
そんな時に組織大改正のためとか、労務費を少なくするためにとかのために45歳以上の
ベテランをカットすることがどれだけ損失に結び付くかを真剣に考えて欲しいと思いま
す。昔の先輩方が言っていたように企業はまず第一に社員の生活を守る義務があるんで
す。ここは短絡的かつ短期的な視野ではなく、長期にどうすれば良いかという視点で
真剣に考えて欲しいと思います。日本は生産が容易な製品を安価で売るビジネスは止め
る時期なんだと本気で思いますね。もう遅いでかもですが日本でしか作れない製品で
勝負しましょう。それしか生き延びる道は残っていません。
