自分が生まれたのは1957年、昭和32年なので戦後10年は経過していましたし、世の中の
雰囲気としては、子供ながらそんなに暗い感じではなかったように思います。そして、
小学生になって父親が家を建て、盛岡市内の少し山側の場所ではありましたが、畑は
もちろんありますし、展望台のある場所も歩いていける場所だったので、自然が残った
場所だったように思います。そういう場所ですから、暖かい時期はチョウチョが飛んで
いましたし、スズメは沢山いたし、たまに山道を遊びで歩いていると、キジを見たり
出来る場所でした。非常に印象深かったのが、秋に空一面に何匹ものトンボが飛んで
いる光景を見ることが出来たりがあったことです。
このトンボはアキアカネ、いわゆる、赤とんぼというやつです。数えたことはないの
ですが、多分、何百匹と秋空に飛んでいたんだろうと思います。今思えば、奇跡的な
風景のようにも思いますが、当時は田んぼには、トンボの幼虫のヤゴが普通にいまし
たし、水田で言えば、ドジョウ、オタマジャクシ、タニシ等々、普通にいる状況で
した。今、思えば、水田の脇の水路というか、汚いドブにカラス貝やドブ貝とか、か
なりいたように思います。自然が残っていたということでしょう。
そして、チョウチョについては、モンシロチョウは普通に飛んでいましたし、たまに
モンキチョウ、そして、シジミチョウとか、沢山飛んでいました。それが普通でした。
夏近くになるとアゲハチョウ、キアゲハ、クロアゲハ。でも、いつからか、それらの
チョウも余り見なくなってしましました。自分の住む茂原市は千葉でも田舎の方なので
畑も水田もありますが、チョウはあまり見ない。多分、チョウの安心して住める環境で
はなくなっているということだと思っています。そして、普通に見れたスズメさえも
余り見かけない。これは本当に悲しいし、生き物が少なくなる環境は絶対に人にとって
も良い環境であるわけがないと勝手に思ってます。
山でたまにキジは見る程度かな。鳥もカラスだけいつも見かけるのは良い感じがしま
せん。地球環境で見れば生物の絶滅は物凄いスピードで進んでいると言われています。
そんな環境で人間だけが生き残っていけるのか。自分はそうは思っていません。いず
れは近いうちに人も絶滅するんじゃないか、そんな気がしています。