前回、布良の屏風岩のお話をしましたが、房総にはあちこちに屏風岩があります。一番
有名なのは根本海岸で天然記念物になっていますが、ここにあげた千倉の海岸にも屏風
岩があります。間近で見れる場所は限られていますが、見ると驚きますね。地層がかな
りの角度で立っています。地質の年代は約1000万年とのこと。ここに残っているのは凝
灰岩で互層であったものが、固い凝灰岩だけ残ったもののようです。波が荒ければ侵食
されて当たり前ですし。水平面から見ると80度ぐらいの角度で立っています。
物の本によれば、これは太平洋プレートが押したことで地層が押し上げられ、ついには
へし曲がって海面に出た、そんな説明でした。すざまじい力で押し上げらているので、
こんな状況になったのでしょう。房総の南の方が地震の影響で隆起していますし、今の
海面が何年前から今の海水面になっているか、分かりませんがそんな状況のようです。
ここも小さな湾になっていて小型の船があったりしますが、コンクリートの堤防に立っ
てしばらく、この屏風岩を見ていました。
地球の年齢が約45億年と言われていますから、1000万年前なんて、ついこの間になり
ます。そして、現代人の誕生が20万年前ぐらい。そうなると、この屏風岩が地層とし
て出来たのは、現代人が、この地上に現れるずっと前。物凄く古い品物ってことにな
ります。そう考えると物凄い、とか、ここはその頃はどうなっていたんだろう。海底
の深いところだったのかな、とかを考えちゃう訳です。もう、想像がとまらないし、
ロマンすら感じてきますよね。と言った訳で千倉の屏風岩からでも、いろいろ考えち
ゃう最近です。