6月4日の神奈川県・三浦半島で起きた異臭騒ぎ、最近、関東圏で多い地震のことを
考えれば近いうちに起きるとされている関東直下型の大地震の予兆と心配されること
自然の流れのように思えます。ネットで報道された内容は、「横須賀市消防局による
と、4日午後8時8分ごろ、三浦市南下浦町金田地区から「ゴムの焼けたようなにお
いがする」と119番があったほか、午後9時55分ごろまでに約200件の通報が
あった。逗子市でも、消防に異臭の通報が入ったとされ、東沿岸部でも確認されてい
る。」と言った内容で赤潮のせいか?とか、打ち上げられたクジラの死骸から匂いで
はいなかと言った推測があったようです。
この他にも『ガスのようなにおいがする』『シンナーや塗料のようなにおいがする』
『何かが焼けているようなにおいがする』等々あったと言うことなので匂いの種類も
どうも多々あった感じです。しかし、なかには異臭で気分が悪くなり、病院に搬送さ
れた方もいるということなので相当強烈な臭いであったのは間違いがないのでしょう。
さて、ガスの臭いに関してはご承知の方もいると思いますが、付臭剤の臭いでわざと
臭いニオイを付けているので、もともとの天然ガス、ここで言えばメタンガスですが
ガスの臭いではないのです。そう、一般的なガスの臭いはガス漏れが分かりやすいよ
うに付けられている代物です。さて、このように説明すると地下から湧き上がってく
る天然ガス、メタンガスには本当に臭いはないのか、と言うことになりますが、少な
くとも千葉で確認されたメタンガスには、若干臭いがある場合があるのです。
それはどんな臭いか、簡単に言えば、汚いドブのような臭い、そうそこそこ嫌な臭い
がする場合はかなりあります。多分、これは腐敗臭とか、そんな感じの物かも知れま
せん。残念ながら詳細な分析をかけた結果を見たことはない。千葉の天然ガスにも
硫化水素が入っている場合もありますが、ほんの数PPMがたまにある程度。ですか
ら、その臭いも感じる程度ではありません。もちろん、硫化水素の臭いが分かる程度
なら人間は死んでしまうぐらいになってしまいます。
いずれにしても関東の地下に莫大な量のメタンガスが存在しているのは間違いがない
のです。都内でも温泉でメタンガスが出てきている場所も少なくない。昔は船橋市で
天然ガスを採掘して都市ガスにしていたぐらいですから。加えて某企業が今の川崎市
で天然ガスの採掘をしていたこともあるんです。まあ、地下に天然ガスがあると言っ
てもジェームス・ディーンが出ていた映画「ジャイアンツ」もように勢いよく噴出す
ることは多くありません。ゼロではないと言っておきます。もともとの、その地層の
圧力そのままなので加圧されていないのです。
大きな地震の後で地下に眠っていた天然ガスが地表に出てくることは、ままあります。
昭和62年の「千葉県東方沖地震」の際は、確か天津小湊の港の沖で海上にガスの噴出
が地元で確認され、調査したところ、主成分がメタンガスであった記憶があります。
そういうわけで長々書きましたが、今回の三浦半島で起きた異臭原因は地下のメタン
ガスではないとはっきり言えます。報道は恐いですよね。どうしても間違った情報が
入ってしまう。皆さんも是非、お気を付けを。