出典:Wikipedia
自分の見た映画の中でも忘れられないのが「バーニング・オーシャン」と言う映画で
す。何がインパクトがあったかと言うと、これが実際に起きたトラブルの映画という
ことで、それも洋上の石油掘削施設で起きた、ブローアウト(地層流体等の猛噴事故)
のお話なのです。これがCGも混じっていると言うものの、実写もかなりあって本当に
緊迫しますし、自分が何十年も経験したガス井掘削でのトラブルにも関係しています。
少しだけ、この事故の紹介をすると場所は米国のメキシコ湾、ガルフコーストで2010
年の4月に起きた洋上での石油掘削リグでの事故です。BP(ブリティッシュ・ペトロリ
アム)がメインでやっていた掘削作業です。「ディープウォーター・ホライズン」と
言う半潜水式の掘削リグ、世界最大の沖合掘削請負会社トランスオーシャン社が管理
していた掘削リグです。まあ、我々がやっていたのとは規模が違うし、原油と天然ガ
スがトラブルで噴出したために火災も継続しましたし、原油噴出による凄まじい海洋
汚染、環境破壊となりました。ちなみにこの掘削作業費用は1日1億円との記述もあり
ます。それだけ石油は儲かるということ。自分が経験した掘削作業では1日百万単位
位。規模の違いが分かります。そして原油汚染をBPは1日8億円かけて対応したと
いうニュースもあります。これもかなりのお話です。なんせ当時としては一番劣悪な
原油噴出事故だったわけです。
映画はその実際の事故のドキュメンタリーのような感じなのですが、ストーリーも何
も関係なく、起きた事故の甚大さに恐れおののいてしまってました。実際に自分も
1~2㎏/cm2程度の天然ガスと地下水の噴出は経験が何度があるのです。ガス井戸の
地表にあるバルブの交換の際にですね。ガスと水柱が10m以上は上がったりします。
音も凄いし、水とガスの出が尋常じゃないので本当に小さな小石や砂が顔等にバチバ
チ当たったりしていました。そんな環境での作業が随分昔ですが、あったのです。
それに前にも言ったように千葉県九十九里町の「いわし博物館天然ガス爆発事故」の
現場にも刑事さんの要請で行ったことがあるので。水圧はそんなには恐くないですが
ガス圧は本当に恐いです。そんな訳で「バーニング・オーシャン」はもう何度も何度
も見入ってしまってます。今思うと自分もかなり危険な仕事をしていたことになりま
す。それでも大きなケガもなくやれてこれたことに大感謝しています。
Deepwater Horizon: Timeline of a Tragedy (short version)