大学の専門で資源開発を専攻し、また、会社もそんな企業で働いたこともあって資源
開発にはいつも興味があるのです。ある意味、職業病と言えなくもない。大学の頃に
習った石油の寿命は当時で30年程度。これは当時の発見された油田の実際に採掘出来
る石油の量を当時の世界での石油消費量を割った数字です。そんなわけで、この30年
の数字もそんなに意味のある数字とは思っていませんでした。何故なら新規に発見さ
れる油田が出てくるだろうと思っていたからです。まあ、中東のような巨大油田はそ
うそう発見されないかもですけどね。この部分は自分がyoutubeで良く見ている、武
田邦彦先生によれば、某N〇Kが石油は30年で無くなってしまうと大騒ぎで報道した
ことがあったようです。自分はあまり知らなかったですが。
そんなわけで大学を卒業して今に至っても石油が無くなっていないのは新規に開発さ
れた油田が増えたからに他ありません。石油の値段が高くなっていた時は深海の油田
も開発されていましたし、米国の例で言えば従来型ではないシェールガスやシェール
オイルも開発され、一時期、石油やガスの輸出国にもなっていたぐらいですから、
油やガスが相当生産されていたのだと思います。ここでは石油と言いながらもそれに
天然ガスも一緒に混ぜて扱います。まあ、このシェールガス等の開発では大学で習っ
た石油等の2次回収、3次回収に利用されていたフラクチャリングと言う地層を水圧で
破砕する技術が利用されていたので、それで真水の層までその破砕帯が影響を及ぼす
等が実際にあった報告もなされ、結局、環境保護の面から各州等で法律により厳しい
規制がかけられました。まあ、それも仕方のないことなのでしょう。
前置きが長くなりましたが、今回のオーストリアで今世紀最大のガス田が見つかった
話はかなり大きなニュースのように思っています。はっきり言えば、この国になんで
そんなのがあったんだろう、そんな感じです。情報不足、勉強不足の感が否めません。
今回はオーストリアの総合エネルギー企業OMVが深度5000mで巨大なガス田を発見し
、既に英石油・ガス大手BPとの液化天然ガス(LNG)の長期的な供給契約を結び、
2026年から10年間、年間最大100万トンのLNGを供給する売買契約を結んだそうです。
これはかなり大きな話ですし、ロシアとの関係で天然ガス不足で困窮しているEU各国
からすれば相当嬉しいニュースでしょう。しかし、深度5000mはかなり深い。新潟県
でも昔、6000m級の掘削をして天然ガスの開発を行っていたのですが、この深度は
当時では深かったのです。いずれにしても素晴らしい。EUもエネルギー供給が早く
安定すれば良いとかなり思っています。