前にも地球環境の大きな変化は徐々に来るのではなく、急激に来るだろうと研究で予測
されていることを説明しました。それを裏付ける研究が現在、地球が生物の大量絶滅に
向けて進んでおり、その転換期であるかも知れないと言う米国での研究報告がなされま
した。ニュースソースはカラパイヤからです。
【カラパイヤ 7月16日】
化石燃料の燃焼によって大気中に放出される二酸化炭素は、海にも溶けて蓄積されている。この傾向が止む気配は今のところないが、このおかげで、かつて大量絶滅が生じたときの直前に見られた化学反応が起きる可能性が高いそうだ。
MITの地質学者ダニエル・ロスマン教授が公開したデータによれば、今日の二酸化炭素濃度は、大昔に生物の大量絶滅を引き起こした極端な海洋酸性化へと向かう転換点へと急速に近づいているそうだ。
ロスマン教授は2年前に今世紀の終わりには大量絶滅が起きるだろうと予言した人物で、それ以来、二酸化炭素が原因で海洋生物が絶滅する可能性について研究を続けてきた。海に蓄積される二酸化炭素のシミュレーションを行ったところ、安定している海洋に二酸化炭素を加えたとしても、一時的な酸性化しか起きなかった。
しかし産業革命以来人類がやってきたように、継続的に二酸化炭素を海へ加えると、やがては「化学的フィードバックの連鎖反応」あるいは「励起」を引き起こす転換点を迎えることが判明した。こうなると極端な酸性化が生じ、さらにもともと蓄積されていた二酸化炭素の温室効果がいっそうひどいものになってしまう。
ロスマン教授によると、こうした化学的フィードバックは過去5億4000万年の間にいくどか起きてきたという。しかし、特に顕著なフィードバックが起きた時期は、その間に起きた大量絶滅5回のうち4回の時期と一致している。2億5000万年前のP-T境界(ペルム紀=Permianと三畳紀=Triassicの境目であることからこの名がつく)といわれる時期には、当時存在していた生き物の9割が絶滅したといわれているが、恐ろしいことに、現在海はそのときよりも急激に二酸化炭素を吸収しているという。
今、地球は「励起が起きる瀬戸際」に立っているのかもしれない、とロスマン教授はMITニュースで語っている。なお研究では、二酸化炭素を海にだけ放出し続けた場合であっても、数千年どころか数百年もすれば、火山の噴火などの絶滅の原因となる現象が発生し、結局は同じような結果になるだろうことも示されている。
「転換点を超えてしまえば、そこまでの経緯はまったく関係ありません。超えたら最後、地球の仕組みによって勝手に進みます。」温暖化の影響はじわじわと長い時間をかけて現れるというイメージがあるかもしれない。だが、この研究が示唆しているのは、それはもっと劇的な変化になるかもしれないということだ。
References:'Completely Terrifying': Study Warns Carbon-Saturated Oceans Headed Toward Tipping Point That Could Unleash Mass Extinction Event | Common Dreams News/ written by hiroching / edited by parumo
似たような研究報告は最近多くなっています。地球の年齢に比べれば人類が誕生した期
間なんてのはホンの一瞬の瞬きみたいなものです。それでも悲惨な地球環境破壊による
人類絶滅なんてことは絶対に避けたいですよね。人類はもっと謙虚になるべきだと
強く思っています。