現状は経済が戦後最悪の状況となり、コロナ肺炎の蔓延もさることながら経済へのダメ
ージが相当深刻な状況となっています。これを一重に政治が悪いと言うのも簡単ですが
単に現状の政権を批判する気にはなれません。それはどの自治体の首長を見ても、この
対応は凄いとか論理的にやっているとは思えないからです。そう言った意味で思い出す
のは後藤田正晴氏や佐々淳行氏のことです。偏見かも知れませんが、この2名の危機管
理に関しては凄いと思ったことがあります。どうも日本人はもともと危機管理は苦手な
ようにも思います。
もともと安倍首相は発足当時から政治のやり方や国民への対応が非常に不誠実で大嫌い
だったとは言え、これほど側近も能力のない方々が揃っているとは思ってもいませんで
した。なんだかんだ言っても過去を振り返れば、それなりの人材がいて、それなりの対
応をしていなように思っていました。今回はどうもそこも駄目のようです。今の選挙制
度も相当問題がありますが、国会議員は国民が選んだことになるので、自己責任とも
言えます。
今まで自分の周囲や比較的近い範囲にいた社会的に地位の高い方々を目にする機会を自
然と得てきましたが、それで成功する方は本当に身体が丈夫です。まずは病気で倒れる
と言うことがないんです。確かに仕事で失敗してと言うのもありますが、健康であれば
それも何とか取り戻せる場合が多いように思います。実際、日本では刑事責任ででも
問われない限り、大きな社会的な責任を負うことが少ないように思います。
今回、安倍首相が検査で病院に行ったとのことですが、相当のことでしょう。実質的に
現状への対応も出来ず、どんどんストレスだけが蓄積し、どうしようもなくなったよう
に見えます。一言で言えば「可哀相」と言うことになりますが、それも自分で望んで
首相になったのでしょうから、最初から付いていたお話です。もともと持病があった方
ですから、出発当初から不安はあったわけです。自分の経験から言えば、ストレスの
大きさは自分自身が成長させていくもののように感じています。そして、今回、安倍氏
はそれで自分を潰していったということでしょう。それと側近にも恵まれていない。
気が合う仲間ばかりで仕事がうまくいかないのは過去の事例からしても明白なお話で
す。どうしようもない。決して全部国民の希望を受けてほしいなんてことは言いませ
ん。しかし、理論武装もしっかりし、日本としてこれからどう生きていけば良いのかの
大局的な視野がない政治は絶対に受け入れられません。後の祭りで言っても仕方のない
ことですが、そこが一番重要と思っています。これが基礎の部分なので。