出典:上、プリンス海運株式会社、下、今治海上保安部
ここ何日間かで報道された事故で、愛媛沖で起きた車両運搬船「白虎」(11,454トン、
全長170m、全幅26m)とケミカルタンカー「ULSAN PIONEER」(2,696トン、全長
90m、全幅14m)の衝突・転覆事故がかなり気になっていました。上の写真では上が
白虎、下がULSAN PIONEERでケミカルタンカーは衝突した船首が大きく壊れています
が、なんと白虎の方は転覆してしまってます。船の大きさで言えば、白虎の方がかなり
大きいのに事故で沈んでしまったわけです。
船首はかなり固い、尖った部分なので白虎は弱い箇所に当たって浸水してしまったと
いうことなのでしょうか。今回の事故の場所は来島海峡と呼ばれる場所で海難事故の
多い、難所で事故発生時刻も27日の深夜、深夜零時前。海峡の幅も狭い場所は400m
ほどしかないとか。加えて瀬戸内海は潮の干満が激しいので満潮と干潮の差が最大で
3mを超えたりしています。ですから潮流もかなり早い場所です。そして潮の向きも
6時間ごとに変化するとか。完全に難所です。この海峡では、衝突を避けるため、潮が
北に流れる「北流」なら通常と同じ右側航行、「南流」の場合は左側航行になるという
国内唯一の航行ルールが設けられているそうです。勘違いをすれば、すぐに事故になる
ような気さえしてきました。
白虎の方の乗組員3名が行方不明となり、1名の若い機関士さんは沈んだ船内での発見
され、まだ船長ともう一人の機関士さんが見つかっていません。それで潮流の緩い
時に白虎の沈んでいる深度60mで潜水士が潜って探しているようですが、アクアラン
グで普通潜って40mが限界と言われているので、潜水服で調査してるかも知れません
し、本当にご苦労様な調査だと確信しています。自分がよく分からなかったのが、
白虎が転覆して沈没するまで2時間40分位、時間があったようなので、不明になった
3名の方がどのような状況で衝突の際に船内にいたのか、です。深夜ですから、寝て
いたかもですし、勤務で激しい衝突時の激震で怪我とか気を失ったりもあったのか
もしれません。自分も船舶免許は持っていましたが、1万トンを超える船が転覆して
沈没となると想像も出来ません。そんなわけで非常に大きな事故で1名の方の死亡が
確認され、まだ、2名の方が行方不明と言うことで私なりに心配する状況となってい
ます。こういう時って何か社会で大きな事故とかも多いので。取り合えず。