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日本の捕鯨はクジラ保全の最大の脅威ではないとの研究(米国研究者)

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少しだけ意味合いが違うかもですが、米国で生活をしたことのある自分にとっては米国

は非常に厳しい面もありながら非常に懐の広い国であることも充分理解しています。

今回はその米国の研究者が日本の捕鯨はクジラ保全に対して最大の脅威ではないと言う

研究報告を出した例です。まあ、各国が捕鯨をする日本を叩くのは別の意味もあってで

あることも理解していますが、今回の報告は多分真っ当な報告のように感じました。

記事はカラパイアからです。

 

【カラパイア 8月18日】

2019年7月、日本は31年ぶりに商業捕鯨を再開した。これに対し、西欧諸国から多くの批判が寄せられている。しかし、アメリカ・コーネル大学の海洋生物学者チャールズ・H・グリーン教授は、捕鯨を個人的に好ましいこととは思わないとしながらも、それを批判するアメリカ人やカナダ人は、自分たちのより有害な行為に目を向けるべきだという論説を『Scientific American』に寄稿している。
 

日本の商業捕鯨がクジラの生息数に影響を与える可能性は低い
 日本政府は国際捕鯨委員会IWC)から脱退し商業捕鯨を再開、ノルウェーアイスランドに加わることになった。だが、悪い話ばかりではなく、日本政府は南極条約(南極周辺海域における生物資源の商業利用を規制)に従うことに同意し、南極海での”調査"捕鯨は中止する旨を発表している。また商業捕鯨についても、生息数が十分な種のみを捕鯨し、それも自国の領海と排他的経済水域に限ると述べている。

 

国際的な非難はあるものの、適切に管理された日本の商業捕鯨が、危機に瀕したクジラの生息数に大きな影響を与える可能性は低いとグリーン教授は語る。対照的に、北アメリカはどうだろうか? 東海岸ではアメリカもカナダも数十年間捕鯨を行なっていないが、両国の漁業は絶滅が危惧される種のひとつであるタイセイヨウセミクジラにとって潜在的な脅威となっている。

 

●絶滅が危惧されるタイセイヨウセミクジラ
 タイセイヨウセミクジラのメスと子供は、毎年決まった季節になると繁殖地である南大西洋湾から餌が豊富なニューイングランド沖やカナダ沿岸へと長い距離を移動する。このとき主な死因は、漁業用の網が絡まることと漁船との衝突で、回遊コースの一番北の海でもっとも多く発生している。こうした事故にもかかわらず、タイセイヨウセミクジラは、2010年までの30年で徐々に生息数を回復させてきた。それなのにそれ以降は、熱波でアメリカのメイン湾の海水が温められ餌が減少してしまったことが原因で、彼らは昔からの夏の餌場を放棄。さらに北にあるカナダのセントローレンス湾を目指すようになった。


アメリカのエビ・カニ漁の網がクジラを窮地に。温暖化も後押し
 ここ数年のメイン湾では、漁業用網の絡まりや船との衝突を防止するための対策が取られてきた。絡まる危険性が一番高いのは、海底から海面のブイにまで縦に展開されるカニやエビ漁のものだ。推定によれば、最大8割のタイセイヨウセミクジラがこの網にかかっており、体を傷つけている可能性がある。メイン湾のエビ・カニ漁関係者は渋々ながら、切断可能で、しかもロープを使わない危険の少ない漁具への段階的移行を検討している。しかし温暖化による栄養面でのストレスは、網に絡まったときの予後をいっそう悪いものにしており、米政府による一刻も早い規制が望まれる。タイセイヨウセミクジラの生息数が回復するか、それとも絶滅するかは、時間との勝負である。


●カナダの慢心
 カナダの海では、ここ3年の間に状況が劇的に悪化した。カナダの水産業者もカナダ政府も、餌を求めて北上してくるタイセイヨウセミクジラに対して、何らの準備もしていなかったのだ。保護対策がなかったために、2017年夏の2ヶ月だけで個体数の3パーセント近くが殺されてしまった。だが、このときの教訓は活かされ、2018年の夏には、たとえばカニ漁の時期をずらしたり、漁船の速度を落とすといった対策を実施。同年にクジラが事故死することはなかった。しかし、この成功による慢心と水産業界からの圧力のために、2019年になるとカナダ政府はずっと無関心になってしまった。7月末までには、少なくともタイセイヨウセミクジラ8頭がカナダの海で死んでおり、このままのペースが続けば、今年の死亡数は2017年を超える可能性もある。


●危機に瀕しているのはクジラだけではない
 こうした話はクジラに限ったものではない。太平洋北西部では、ほぼ10年にも及ぶ海洋熱波によってキングサーモンが減少し、そのために絶滅が危惧されるセイリッシュ海のシャチが繁殖しにくくなっている。これを受けて、5月にワシントン州知事が未曾有の保護政策に署名をしたが、その1ヶ月後には石油ガス産業からの猛烈なロビー活動を受けたカナダ政府が、トランス・マウンテン・パイプラインの延長に許可を出した。このためにセイリッシュ海を航行するタンカーの数は7倍にも増える見込みで、シャチの重要な繁殖地における船との衝突事故のリスクは増大するだろうし、原油もれや騒音といった環境汚染も懸念される。


アメリカとカナダがするべきこと
 ここで言いたいのは、アメリカとカナダには絶滅危惧種であるクジラの保全を促すための手段があるということだ。たとえば、漁船や漁業によってクジラが死ななければ、タイセイヨウセミクジラの生息数は、四半世紀のうちに2倍にも回復する可能性がある。だから両国の政府が環境規制を緩和せよという業界からの圧力に抵抗するようになるまでは、アメリカ人もカナダ人も日本へ向けている怒りをもっともクジラを危険にさらしている政府に向けるべきなのだと、グリーン教授は結んでいる。

References:Japanese Whaling Is Not the Greatest Threat to Whale Conservation - Scientific American Blog Network/ written by hiroching / edited by parumo

 

この研究成果が正しいとすれば非常に真っ当な内容と言えます。本当にクジラを助けた

いのなら何をすべきかが書いてあります。もともとの反捕鯨も筋の良い発足ではなかっ

た部分もありますが人間がこの世に生存してからは生物の絶滅が非常に速い速度で進ん

でいるのは事実です。最悪の例では1日27種生物が絶滅しているとも言われています。

その他にも海の魚も減り、後数十年で漁業も成り立たなくなるとも言われています。

そんな地球環境の中で出来るだけ今の地球環境を保全するためには、本当に何をすべき

かが地球レベルで求められています。