出典:wikipedia &ocean gate HP
ここ数日間、世間が心配しながら見ていた表記、事件ですが、海底で潰れた潜水艇の
圧潰船体が発見され、ほぼ5人の乗員は絶望となりました。もともとの船体内の空気残
存からすれば若干の生存希望もあり、また、このような事故の場合は生存を頭に置きな
がらの捜索となるでしょうから、結果は最悪となったものの、どうしようもない気がし
ています。潜水艇圧潰の原因はともかく、亡くなった方を弔うと共に捜索に尽力された
方々に感謝と敬意を表します。
今回の件、CNNの英語版で見てみてもどうもおかしな情報が多々出てきて、場合によっ
ては事故を防げた可能性すら出てきているので、悲しいことではありますが、原因追及
によって2度とこんな事故が起きないようにしてほしいと思っています。実は自分はか
なり前、多分20年以上前から日本のJAMSTEC、国立研究開発法人海洋研究開発機構所
有の「しんかい6500」にかなり興味があり、昔、日本科学未来館でボランティアで「
しんかい6500」の説明をしていたことがあるのです。ですから、深海艇のことは一般の
方よりも詳しいし、勉強もしましたし、JAMSTECに研修に行ったこともあるのです。
そんな背景があるので今回、水深3800mもの深海にある沈没船を見に潜ったということ
だったので調査か何かかもと勝手に思っていました。ところが実際は多額のツアー料金
を支払っての観光でいった方もいらしたとのこと、どんどん「なんだ?なんだ?」とい
う疑問はモクモク沸いてきていたわけです。海は水深200mも超えれば太陽光も届かな
い高圧の環境になるわけで非常に環境の厳しい場所になるのです。「しんかい6500」
では人間の乗る耐圧殻(たいあつこく)は内径が2m、チタン合金の厚みが73.5㎜。ほぼ
真円の金属球であることが求められ、それでも深海底に到着すれば、そのチタン合金
の球が縮むと言われています。しんかい6500の場合でもその球全体にかかる荷重は
なんと9万トンを超えます。
こんなことが頭にあるので最初にOcean gateの船体を見た時は「ん?ちゃちくない?」
と言った印象がかなり強かったのです。どうも今回の事故を起こすまで様々なトラブル
や内部からの警告が多々あったというニュースも数多く出てきています。例のジェーム
ズ・キャメロン監督も非難声明まで出してる感じです。そんな風に色々な状況を見て
いると、この深海艇の安全は担保されないでいたのでは、と勘繰ってしまいますね。
今回の深海艇はどこの安全基準もクリアしておらず、今回のタイタニックのツアーも
立ち位置が非常に微妙な感じです。不幸にも亡くなった方々のご冥福をお祈りします。